脳が求める炭水化物が豊富
人の脳は1日でおよそ180gの糖質を消費します。これは、ご飯では3膳食べても足りない量ですから、適度に補ってあげる必要があります。その時果物やお菓子ばかりでは糖分の吸収が急激に行われ、糖尿病予備軍入りが心配になります。お餅は100g中50gとおよそ半分が炭水化物。菓子パンなどと比べるとGI値が低く(84)、ゆっくり吸収されます。昔からご飯よりも「腹持ちが良い」と言われるのはそのためです。
コシが強いから脳が活性化
減農薬栽培で食味を重視し、無理に収量を上げない方法で育てた薫り高いこがねもち(もち米の品種です・もち米界のコシヒカリ)が原料です。少量ずつ搗くため熱いうちに搗き上がり、コシが強くもち米の香りと甘みが生きています。大量生産の包装餅では良質なもち米を集められないこともあり、柔らく溶けてしまうような餅になってしまいます。もちを喉に詰まらせる事故は、そのほとんどが柔らかい餅で起こります。本来の餅は、良質の米と水から生まれ、よく噛んで食べなければならないほどコシがあります。しっかりあごを動かして食べるお餅は脳を活性化させてくれるので、受験生の夜食にもおすすめです。

おもちファクトリーのたんぼです。飯豊連邦の麓で減農薬で育てています。

餅つき樹は小規模な工房でも3升づきが一般的ですが、おもちファクトリーは一回り小さい2升づき。熱いうちに手早く搗けるため、コシが強いのにきめの細かいもちになります。

蒸したてつやつやのもちごめは、すぐに隣の餅つき機へ。小さな工房なので手作業が多いのですが、その分手早くできるのが美味しさの秘訣です。
良い粒を選んで餅に
薫り高く腰のある餅にするには、しっかり米を育てるだけでなく「しっかり育った良い粒」だけを原料にすることも重要です。その年の天候にもよりますが小さく砕けた米は必ず出てしまうため、精米と選別の二段階ではじき出し、しっかり育った粒だけを餅に加工しています。また、減農薬栽培でカメムシ防除の農薬は一切使用していないため、センサーで虫食いの米を選別しています。砕けた米は加工用に広く流通し餅や米菓になるものですが、しっかりした粒だけでついた餅の味は格別です。

精米を終えてから選別機のセンサーで「白くない粒」を弾き出します。主にカメムシに食われた米を取り除くのが目的ですが、比重と大きさが米と近い異物も取り除くことができます。また、欠けた米は精米と選別時の二段階選別で弾いています。

カメムシに吸われた米はこのように変色します。カメムシは米にとっての代表的な害虫ですが、おもちファクトリーでは減農薬に取り組んで防除をせず色覚センサーで除去しています。

必ず出てしまう欠け米は、大きな粒と一緒に餅にしてしまうと餅にとって大事なコシが悪くなってしまいます。加工用で広く流通していますが、おもちファクトリーではもち粉に加工しています。

二段階で選別された米。これがおもちファクトリーの原料米です。
衛生にもこだわり
餅にとっての大敵はカビ。設備を清潔に保つのはもちろんですが、夜間はオゾン発生器を稼働させて室内を殺菌するなど「田舎もちらしからぬ」設備投資もしています。だからカビは生えません!とは、餅だけに言い切れないのですが、工房内の菌数削減には精一杯取り組んでいます。手軽で、なおかつ安心してお子様に与えられるおやつであり続けるよう、最も努力しているところです。

つきあげたら上下をシートではさみ、空気に触れないようにして板にのします。そのままさますので、ほとんど空気に触れません。

工房へは、エアで細かい埃を払ってから入ります。

餅の冷却室と包装室は、夜間にオゾン発生器を使って殺菌しています。